通常型心房粗動のアブレーションについて
三尖弁を反時計方向にRate 250-350bpmで回っています。
下大静脈から三尖弁輪間のアブレーションで完治します。
有効性も高く、この治療により直接的に、脳梗塞を発生する可能性はありません。
長く続く場合は、脳梗塞が発症したり、失神したり、心不全になる場合があります。
半数に術後心房細動が発生するとの報告があり、定期的な心電図検診が必要です。
左または右肩、両側鼠頸部からカテ―テルを入れるシース(プラスチックの管)を静脈に4本(場合によって異なる。)体内に挿入します。
その後、カテーテルを留置し(右心房、冠状静脈、右心室)、両、アブレーションをします。
合併症
- 心タンポナーデ(心臓の外に血がもれ出る)→心臓の外から管をいれ、血液を抜きます。必要時輸血を行い、それでも出血する場合、心臓外科に開胸し、止血してもらいます。
- 血気胸(鎖骨下静脈穿刺時(肩から管をいれる)に肺を傷つけてしまう)→肺を拡張するための、管を入れます。それでも治らない場合、外科処置が必要になります。肺の出血がある場合、輸血も必要となることがあります。
- 体内の出血→適時、外科的処置を含め検討。
- 創部の皮下出血(穿刺部にはほぼ必発です。)→数週間でなおります。
- 発熱→適時抗生剤を投与します。
- 完全房室ブロック(非常にまれです。)→ペースメーカーの植え込み
- 洞不全症候群の顕性化(自分のペースメーカー細胞が弱っている場合)→ペースメーカーの植え込み
渡辺 則和