ASO PH専門外来

閉塞性動脈硬化症への骨髄幹細胞、末梢血幹細胞移植

当院では先進医療に制定されている閉塞性動脈硬化症への骨髄幹細胞、末梢血幹細胞移植の申請を行っております。
当院では今まで閉塞性動脈硬化症、Buerger病に対する細胞移植を施行しており骨髄幹細胞移植を25件、末梢血幹細胞移植を10件施行してまいりました。閉塞性動脈硬化症に対する治療は抗血小板薬、血管拡張薬などの薬物療法、カテーテルでの血管拡張やバイパス術などによる外科的療法、禁煙、運動などの支持療法がありますが病状が進行し潰瘍形成から下肢切断に至る症例も少なくありません。そのような患者様に対して骨髄幹細胞、末梢血幹細胞などの細胞移植を施行することによって虚血肢の改善を目指しております。

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症状の改善は個人差がありますが外科的、内科的療法に改善が乏しい患者様に当科では提案させていただいております。

肺動脈性肺高血圧症は肺血管の抵抗亢進により肺動脈圧が上昇し右心機能の低下など右心不全徴候が出現する疾患です。主な症状は息切れ、動悸、胸痛、易疲労感などであり、さらに病勢が進行すると全身の浮腫、めまい、チアノ-ゼが出現します。
肺動脈性肺高血圧症は特定疾患の一つであり治療費などで公的な助成が受けられます。成人においては女性に多く、30歳代を中心に20-40歳に多く発症する傾向があります。
また混合性結合組織病、全身性エリテマトーデス、強皮症などの膠原病の罹患されている患者さんが発症することも多いです。
当科では肺動脈性肺高血圧症が疑われる患者様に対して問診、診察を行い、その上で血液、尿検査、心電図検査、胸部レントゲン検査、胸部CT、肺血流、換気シンチグラム、心臓超音波検査などの施行させていただきます。
最終的な診断には足の付け根からカテーテルを挿入し直接的に肺動脈圧の測定を行う右心カテーテル検査が必須となります。
現在治療の中心は薬物治療や酸素吸入療法であり新たな薬剤も開発されつつあります。

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N Eng J Med 2004;351:1655-65
当科では主に紹介患者様に対して、診断から治療までスムーズに行えるよう通常診療で心がけております。

昭和大学医学部内科学講座循環器内科学部門  正司 真 小林 洋一