心房細動アブレーションについて

心房細動とは

心房細動・・・文字通りに心房が細かく動いている状態
心房は約450-600回/分で動いている。

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心房細動
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正常脈

心房細動はなぜ治療しなければいけないか?

1.心房内に血栓を作りそれによる塞栓症をおこすため
特に脳梗塞
→抗凝固療法、抗血小板療法
2.脈拍の著明な上昇により、心臓の仕事量が増加し
心不全をおこすため
→脈拍コントロール(レートコントロール)または
洞調律維持(リズムコントロール)
レートコントロール:βブロッカー・Caブロッカー・ジギタリス製剤投与
リズムコントロール:抗不整脈投与・電気的除細動・心房細動アブレーション

心房細動・左心房起源心房頻拍・粗動アブレーション

発作性心房細動のはじめの心房期外収縮の約80%は、肺静脈起源といわれており、はじめは肺静脈内の発火を見つけ焼灼していた。しかし、治癒率が悪いため最近は以下の方法で行っています。
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肺静脈隔離術

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CFAEアブレーション

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心房細動の種類

時々心房細動がおこり、自然に停止するものを発作性心房細動、心房細動が持続し続けるのを
慢性心房細動といいます。

発作性心房細動の肺静脈隔離術単独では3-4時間前後の施行時間です。慢性心房細動や、心房頻拍または粗動(ともに心房細動より粗いもの)が誘発された場合はさらにアブレーションを追加しますので、追加の時間がかかります。

血管内穿刺

局所麻酔を使用し、左または右肩、両側鼠頸部からカテ―テルを入れるシース(プラスチックの管)を静脈に4本、動脈に1本いれます(場合によって異なる)。
その後、カテーテルを留置後(右心房、冠状静脈、右心室)、両側の心房の薄い膜である卵円孔を針で穿刺します(経中隔穿刺)。その後、左心房にシースを挿入し、アブレーションをします。対象不整脈、治療中の状況により、アブレーションの方法を変更します。

発作性心房細動の肺静脈隔離の場合でも、肺静脈の再伝導がおこり、心房細動の再発が20%前後おこりますので、発作性心房細動の場合でも2回の治療が必要になることがあります(→傷が治るのと同様に治療部位が治り電気的な流れが再開するため)。
慢性心房細動の場合、肺静脈以外の治療も必要なので、左心房のアブレーションが3回以上複数回必要になることが多いです。
アブレーション治療は、心房の形態変化が少ない、早期の施行の方が有効性は高いのが現状です。
慢性心房細動が長く続き、心房の形態変化が大きい場合は、完治できないことがあります。

アブレーションで洞調律(正常な脈)が維持できれば、心房細動がない人と同じ脳梗塞のリスクに戻すことができます。

アブレーション後、数か月間心房細動発作が頻発し、不安定になる時期があります。その後、落ち着くこともあります。落ち着かない場合は、追加薬物投与および再アブレーションを検討します。

合併症

  • 心房細動の頻発→薬物調節か、再アブレーション
  • 心房頻拍または心房粗動(ともに心房細動より粗いもの)→薬物調節か、再アブレーション
  • 洞不全症候群の顕性化(自分のペースメーカー細胞が弱っている場合、高度徐脈になる)→ペースメーカーの植え込み
  • 心タンポナーデ(100人に1人おこります。)→心臓の外から管をいれ、血液を抜きます。必要時輸血を行い、それでも出血する場合、心臓外科に開胸し、止血してもらいます。
  • 脳梗塞(心房細動事態が脳梗塞をおこしやすく、その部位を治療するため)→術中大量の抗凝固薬を注射します。術前術後の抗凝固療法の徹底。
  • 体内の出血→適時、外科的処置を含め検討。
  • 創部の皮下出血(穿刺部にはほぼ必発です)→数週間でなおります。
  • 食道潰瘍(左心房(治療するところ)が食道に接しているため)→術後胃内視鏡で確認し、絶食・胃薬で対応します。ひどい場合は、外科的な処置も必要であるとの報告があります。
  • 血気胸(鎖骨下静脈穿刺時(肩から管をいれる)に肺を傷つけてしまう。)→肺を拡張するための、管を入れます。それでも治らない場合、外科処置が必要になります。肺の出血がある場合、輸血も必要となることがあります発熱→適時抗生剤を投与します。
  • 食道・胃・横隔膜神経障害(非常にまれです。)→経過観察で軽快します(半年から一年)。
  • 完全房室ブロック(非常にまれです。)→ペースメーカーの植え込みをおこないます。

心房頻拍(アブレーション後の左心房起源)

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渡辺則和